イタリア旅行記・シエナ

前回の記事

イタリア旅行記・出国〜ミラノへ - 旅の記憶 からの続き

 

ミラノからシエナ

前の記事では羽田空港から北京を経由して、ミラノに到着。そしてミラノ散策をしたところまで書いた。まだ旅に出て二日目の途中。かなりの文量になってしまっている。

 

ミラノ散策の後、ミラノ中央駅(Milano Centrale)からフィレンツェサンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze SMN)までフレッチェロッサで移動。

なぜミラノからフィレンツェへ移動したかというと、大文字で上にも書いたようにシエナに行くためなのですね。フィレンツェで電車からバスに乗り換えシエナへ行く予定なのです。

 

ミラノから乗ったのはフレッチャロッサ(Frecciarossa)という赤い矢という意味のイタリア版新幹線。トレニタリアというイタリア国鉄が運営する高速列車はフレッチャロッサの他にもフレッチャルジェント(Frecciargento/銀の矢)もある。フレッチャロッサの方が速い。

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僕の乗車した“赤い矢”は、ミラノ中央駅ボローニャ中央駅→フィレンツェSMN駅の順で停車した。所要時間は一時間半ほど。ミラノからボローニャまでは、パダノ=べネタ平野の農業地帯の中をひた走る。時速300キロも時々出しながらの高速移動(時折車内のモニターに時速が出る)。冬で畑に作物が植わってなくて何を育てている地域なのかは分からず。小麦、米とかなのかな。

 

ボローニャからは打って変わって山間をひた走る。アペニン山脈越えだ。ずっとトンネルが続く続く。景色はなかなか見えないが、土地利用の仕方が全然パダノ=べネタ平野とは違うことがわかる。斜面を利用したブドウ畑らしきものがちょくちょく確認できた。

 

そうこうしているうちにフィレンツェSMN駅に到着。イタリア人は降りる準備が異様に早い。駅に停車する15分前くらいから荷物を棚から降ろし始めてドアの前で並んで待っている。不思議。急いでいるの…??

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フィレンツェサンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze Santa Maria Novella)現在の駅舎は1934年にできたモダンな建物。

大観光地フィレンツェに着いたというのに、全く観光せずに駅近くのバスターミナルへ…

 

フィレンツェシエナトスカーナ州。近いこの二つの街はバスで一時間ちょっとで結ばれている。だけど歴史的な背景から未だに仲が悪いらしい。

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バスターミナル。なんか適当な雰囲気。

バスはフィレンツェの歴史的な市街地から出発する。そのあとが興味深かった。観光地である旧市街地?の周りには現代的な住宅街が広がっていることがよく分かったから。バスが出発して数十分はフィレンツェ市街地周辺の住宅街を走っていた。現代的な街並みである一方建物の統一感はちゃんとあるなぁとか思いながら景色を眺める。

 

日が暮れてきたころに高速道路(Autostrada)へ。さすが、先進国のインフラ設備はちゃんと整っている感じだ。日本の高速道路と雰囲気は似ていた。だけどフィレンツェからシエナまでの高速道路はカーブが多いわりにかなりバスは飛ばす。

 

シエナの周辺の住宅街のバス停に寄りながら、バスはシエナの旧市街の終点グラムシ広場へ。途中の住宅街のバス停近くの方が居住者は多いのか、どんどんみんな降りていく。終点のグラムシ広場に着くころには僕ともう一人くらいになっていた。日が暮れた後、シエナに到着。

 

この日はシエナにいる友人と合流。Grotta Santa Caterina da Bagogaというリストランテで夕食を。シエナ名物のPici(ピチ)といううどんのような太麺パスタ、シエナ風のTrippa(トリッパ)などを食す。トリッパは牛??なんの胃袋だったのだろう。友人とともに食事をすることでやっとその地域らしいものでかつとても美味しいものにありつける。食後はNanniniというお菓子屋さんでコーヒーを軽く飲んで休憩。夜のカンポ広場で市庁舎を一目見てから宿に帰りこの日は就寝。イタリアに降り立って一日目、長い一日だった。

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翌日はシエナを散策。

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朝のカンポ広場 どこからともなく鳴り響く鐘の音で早起きできた。

カンポ広場はシエナの街の中心。上の写真が市庁舎で町のシンボル。マンジャの塔は88メートルもあるらしい。シエナは中世に金融街で栄えた古い町。街は起伏に富んでいて道も入り組んでいて歩くと迷路のよう。カンポ広場にあったバールでコーヒーを飲んで友人と合流して散策へ。

 

そうそうバール(Bar)でコーヒーの飲み方がこのころから分かってきた。カッフェ(Caffè)つまりコーヒーというとそれはすなわちエスプレッソということになる。それを長居せずにささっと飲んでいくイタリア独特のスタイルを試してみる。(座ってゆっくりコーヒーを飲んでケーキを食べてとできるスペースもある)一杯1ユーロとかで、砂糖をほどほどに入れて立ち飲み。この時はまだ日本のコーヒー飲む感じが忘れられず、しっくり来なかったけど数日経つとこの文化が生活の一部になってきた。

 

この日の昼食ではOssobuco(オッソブーコ)という料理を食べました。運命の出会い。なんておいしいの……!!!感動しました…!

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仔牛の骨付きスネ肉の煮込み。この骨の中の部分の髄?みたいな部分も美味しくて…!(写真ブレてしまって残念!)

あとアーティチョーク(人生初)とトリュフ(人生初)のパスタも★★★★★ 

Il Mangioneというお店だったと思います。

ちなみに、調べてみたらオッソブーコはミラノのあるロンバルディア州の料理なのですね、今度はミラノで食べてみたい。

 

腹ごしらえをした後は、シエナを歩いて

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歩いて

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歩いて

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歩いて。ドゥオーモに行ってみたりしました。

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ドーンと大迫力で、鎮座してる。シエナ大聖堂(Duomo di Siena) 町の中でも標高の高いところに立っていてかなり目立っている。ファサードの装飾やら彫刻やらまあ華美で凝ってて、、、凄まじい情報量と規模に圧倒され過ぎて、すごいとかでかいとかあ~とかもうそんな幼稚な語彙しか出てこなかったなぁ。ゴシック建築とか言葉は知ってて写真も見たことはあっても、実物を目にすると全然感じ方が違いました(でもここはロマネスク建築でもあるのでしょうか…?)

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華美でおっきいんだけど決して下品ではなくて品があって、そして空の色とも町ともお似合いなのが良いなと。

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内装はこんな感じ。日本人にはこのスケールで建物とか空間を考える感覚って無さそうと思った。聖堂内部と、博物館と博物館の屋上に入れるチケットを買って見学。

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聖堂向いの博物館屋上からは、シエナを一望できた。

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町の向こうには永遠に続くなだらかな起伏と、農地が。ぶどうやオリーブを生産しているのでしょう。美しい景色でほれぼれ

 

このあともシエナを歩き続きました。

シエナの町で面白い特徴を友人から教えてもらう。シエナの町はコントラーダという17の地域に分けられているということ。町内会みたいになっていて、そしてその繋がりが強くてコントラーダごとに美術館とかを持っていたりするくらい。そして一つ一つのコントラーダは名前がついていて、その名前が動物とか虫とか自然とかからとられていて面白いんです。そのコントラーダのシンボルが、路地とかに表現されていることがあって…いま歩いているところは何のコントラーダのところなんだろうと思いながら散策しました。

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この写真のところはカメ(Tartuca)のコントラーダ。ほかにはヒョウとか森とかアヒルとか、イモムシなんかのコントラーダもあったりします。

そしてパリオ(Palio)というカンポ広場で行われる馬のレースが、コントラーダ対抗らしく、シエナの人々はこのコントラーダに並々ならぬ帰属意識やライバル意識をもっているらしいです。

 

そして日も傾いてきた頃、旧市街の外側まで来てみた。旧市街は城壁に囲まれていて、外側との出入りは数か所の門からのみになっている。さすが中世の町

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門を出ると道も石畳ではなくなったりとか結構雰囲気が変わっておもしろい。

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この写真はまた違う門

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こちら側の門の近くからはすごく景色が良かった。シエナが丘の上にある町であることがよく分かる。

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門の外側は車通りもそこそこある。人々の生活は町の中心よりも周縁部の方が主なのだろうか。

 

この後夕食を食べる。この日食べたエスカロープ(Escalope)という仔牛の薄切りにした料理が大変美味しゅうございました。そしてビスコッティをヴィンサントという食後酒に浸して食べるデザートも素敵で。シエナについてからご馳走続き。

シエナでは名産のお菓子を食べてみました。ドライフルーツとかナッツとかが入ってかなり密度の濃い感じのケーキ?パン?のパンフォルテ(Panforte)。またリッチャレッリ(Ricciarelli)というアーモンドとかを使ったお菓子も食べました。すごく美味しくて大好きなんだけど上手く形容できない。食べたことありそうで無い味。リッチャレッリものすごく美味しかった。

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リッチャレッリはこのようなお菓子

 

 

この日は足を使って、そしていろいろなものを食べたり飲んだりしてシエナを堪能したのでした。翌日はチェルタルドというシエナ近郊の小さな町に行くことに…!

 

つづきはこちらへ!

イタリア旅行記・チェルタルドとローマ前編 - 旅の記憶