トカイワインを求めて
ハンガリー到着二日目。
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早起きをして、この日は日帰りでトカイという町に行ってみる。ここは、ワインの産地。トカイワインという貴腐ワインが有名なところ。貴腐ワインというのは、カビによる作用で糖度を高めたブドウを使ったものすごく甘いワインのことだ。
ワインを楽しむことをこの旅行の楽しみにはしていたが、最後までエゲルという場所にある美女の谷というワインセラーが立ち並ぶところに行くか、トカイに行くか迷っていたが、貴腐ワインが気になり、トカイに行くことにした。
朝早く、地下鉄で移動してブダペスト東駅へ。
美しい駅舎。
チケットも問題なく買えて、無事ホームへ。格好いい駅。
列車につばめのマーク。つばめを列車にあしらうのは日本だけではないのだな。
トカイ方面に行く列車はここからまっすぐホームを歩き、屋外にいた。この列車に乗って約2時間半ほど。
旅のお供にパプリカ味のポテトチップスを買ってみた。ハンガリーならでは。
快適な列車旅。車窓からは大平原とのどかな風景がひろがる。何を作っているのだろうか。麦畑なのかな。
途中駅で小さなアクシデントがあった。列車が長らく停車して、一向に動かない。離合なのかなと思っていたが、なにやらアナウンスが。しかしハンガリー語のため、全く分らず。すると、向いの席に座っていた人が、車両が故障したらしいよと英語で教えてくれた。続けて、どこまで行くの?と聞いてくれたのでトカイまでと答えたら、それなら大丈夫とのこと。どうやらトカイの先まで行く列車だったんだけど、車両故障のためにトカイ止まりに変更になったらしい。レストランの人もだけど、結構親身になって観光客に色々と教えてくれる。あまりお喋りな感じではないけど、すっと親切をしてくれる感じが良い人たちだなと思った。
無事、トカイ駅に到着。みんな一旦ここで降りる。この先に行く人たちはどうしたのだろうか。
機関車はこんな車両でした。レトロでかっこいい。
駅舎。ヨーロッパの田舎に来た感じを引き立たせてくれる可愛い駅舎。
トカイの街までは少し距離があるので歩いていくことに。
途中で可愛い機関車とすれ違った。みんな手を振ってくれたので振り返す。平和。
途中にスーパーがあったので覗いてみる。
パプリカの種類が沢山!下の棚のパプリカは見た目は唐辛子のような感じ。
20分くらい歩いて、トカイの街に到着。
可愛いらしい街。一本道のメインストリートを歩いていく。
こんな街並み。穏やかすぎて居心地が良い。
お昼まで少し時間があったのでトカイ博物館という小さな博物館を見学してみる。
地下にはワインセラー、二階には刺繍や陶器が展示してあった。このおじさんの形をした陶器は1メートルくらいあった。これのミニチュア版があったのでお土産で買ったけど、これはどのように使うものなんだろう。
丁度いい時間になったので、昼食をとることに。
コッシュート広場に面するレストランに入ってみることに。
ご家族でやっている感じのこじんまりとした雰囲気だった。田舎の食堂のような感じ。
まず頼んだのは、ハラ―スレーという料理。
これもパプリカを使った煮込み料理で、鯉とかなまずを煮込んでいるもの。ちなみにこれは何が煮込まれているかは不明…普通のお魚だったから鯉なのかな。苦みもなく、グヤーシュとかよりあっさりしていて、魚出汁で本当に日本人好みの味付けだと思う。
これは何という料理だったのだろう…早めにブログを書かなかったことから記憶が曖昧。肉料理だったのは確か。
デザートにパラチンタというハンガリー版クレープ。馴染みのある味で美味しい。
腹ごしらえを済ませ、次はワイナリーヘ、トカイの貴腐ワイン、トカイアスーを求めて。レストランの面していたコッシュート広場から坂道を5分くらい歩いて、ヒメーシュウドヴァルというワイナリーを訪問。
蔦の這った貫禄のある入口。坂道に建っていたので、その傾斜を上手に地下室にしてワインセラーにしているのだろうか。500年くらい歴史があるのだそう。
6種類のワインを飲み比べてみるコースを注文して席に座る。段々と甘みの強いワインになっていくとのことだった。ワイナリーの優しそうなおばちゃんが英語でゆっくりとぶどうの品種とかその他もろもろ丁寧に教えてくれる。ごめんね、あんまり英語分からないんだ…4割くらいの理解で飲み続ける。
ぶどうの品種についてなど、詳しく書いてある説明もある。一杯目は普通の白ワイン、それでも甘みがあってすごく美味しく感じる。一回の試飲でそこそこの分量注いでくれるので、三杯目くらいで結構酔いが回ってくる。食事と一緒ではないから余計に。五杯目くらいのワインでもうかなりの糖度だった。トカイアスーと言われるものではなくてもここまで甘いのか…と思った。この辺りから、完全に食中酒というよりもデザートだ。恐ろしいことにどんどん飲みやすくなってくる。
糖度が増すにつれ、ワインの色が黄金色になってくる。
そして、トカイアスー…葡萄だけとは信じられない甘み。これ飲んでいるときは完全に酔っぱらっていたが、何とかその美味しさは分かった。ルイ14世がワインの王様にして、王様のワインと言ったトカイアスー。しっかりと本場で堪能することができた。そして、トカイアスーをお土産でも購入。日本に持ち帰って開けたら、すぐに飲み終わってしまった。
外国を歩くにはかなり危険なほど酔っぱらってしまったが、穏やかな秋風を心地よく感じながら、お散歩をしながら駅まで戻った。途中でお土産屋さんを覗いたり。
駅までの道すがら、葡萄畑が見えた。
ティサ川とボドログ川の合流地点。日本みたいに川の流れが急ではないからか護岸などされていなくて、自然のままの景色でとても美しい。この二つの川によって霧がよく発生する自然環境が貴腐ワインを作るのに大事らしい。
そして、帰りの列車に無事乗り込み、ブダペスト東駅に戻る。帰りの列車はトラブルなど無く。
美しい駅。ドイツ語の書かれた寝台列車が停車していた。
夜は、自由広場というところの近く(ホテルからも近く)のBörzeというレストランへ。昨日夕食を食べたところ(Csarnok Vendéglőというところでした)は家庭的な感じだったが、今日のところは少しきっちりとした感じだった。ワインも飲んだし、なかなかお腹も満杯だったけれど、実はこれがハンガリーで食べられる最後の夕食…だから、色々頼んでみた。
まずはチルケ・パプリカ―シュ。鶏肉をパプリカで煮込んだもの。サワークリームがアクセントでとても美味しい。パプリカパウダーさえあれば、日本でも比較的再現可能な料理だから、時々作って食べている。そして今回は付け合わせはジャガイモではないけれどこれまた大量に…これはガルシュカというもの。小麦粉こねて作られているものらしく、ハンガリー料理では付け合わせによく出てくるものらしい。またも、お腹が膨れるものを付け合わせに大量に出してくる。
お次はホルドバージ・パラチンタというもの。ひき肉をクレープのようなパラチンタというもので包んだもの。これも味はパプリカベース。これまた美味しい。パプリカはそんなにしつこい味でないから、両方パプリカベースでも全く飽きることなく食べられる。
そして、フルーツのスープ。ベリー系のものだった。ハンガリーでは夏によくフルーツの冷製スープを食するのだそう。
昨日同様、かなりのカロリーを摂取してホテルに帰宅。日帰り旅で、ハンガリーの田舎の景色を見てワインを楽しんで、とても穏やかに過ごせた2日目だった。
明日はもうハンガリー最終日。ブダペスト市内を観光をします。次に続く。
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