中国旅行記・東北地方を巡るⅡ~ハルビン~

2日目 北上そしてハルビン

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旅行2日目、2019年6月20日木曜日。この日も美しい青空が広がっていました。何だか暑くなりそうです。

本日は、高鉄(高速鉄道のこと)で北上し、黒竜江省省都ハルビンを目指します。

前回の記事は下記のURLからご覧ください。

sampit.hatenablog.com

 

瀋陽駅まで15分ほど歩きます。明日またハルビンから一旦戻ってきた際にじっくりと瀋陽は観光をします。この街並みとはしばしのお別れです。

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瀋陽からハルビンまでのチケットは、Trip.comというサイトであらかじめ日本で予約をし、決済していました。Trip.comのサイトは、全て日本語かつ明瞭でしたのでお勧めします。しかも何よりも良かったのは、決済した後、現地の駅の窓口でチケットを貰わないといけないのですが、下の写真のような画面をスマホで表示できるようになっており、中国語でのやりとりが一切不要なのが助かりました。中国はまだまだ英語が通じない場面が非常に多いのでこれは重宝できると思います。

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駅の係員向けに、文言が書いてあるのも粋です。”こんにちは、私のチケットを発行してください、ありがとう!”こんな文言が書いてあるものを外国からの旅行者が見せてきたら微笑ましく感じる気がします。これを見せるとすぐにチケットを受け取ることができました。

 

9時27分瀋陽駅発、11時50分ハルビン西駅到着という列車を予約していました。これで、3,884円は悪くないのではないでしょうか。2時間半の列車旅で遼寧省吉林省黒竜江省と東北地方を一気に駆け抜けます。

 

和階号(高速列車の車両名)は本日も時間通りに到着し、出発しました。

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瀋陽の街を離れていきます。発車後すぐに長距離列車とすれ違います。中国国鉄の客車は色合いがシックで美しいです。どこから来た列車なのでしょうか。丸2日以上かかる運行の列車も数多くいるので、かなり遠いところから来ているものかもしれません。

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20分ほどすると、美しい耕作地帯が広がりました。東北地方は降水量が少なく、あまり米づくりには適してません。そのため、車窓から見える景色も延々と穀物を作っていそうな畑の景色が続きます。

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先ほどの写真から2時間後くらいに撮った写真です。時折都市がありますが、それ以外は基本的にこのような景色。どこまでも続いている平原にうっとりします。

今回は通過してしまいましたが吉林省にも行ってみたかった場所がいくつかありました。省都長春、そして朝鮮系の人々が多く暮らす延吉、ここは民族料理が気になりました。そして、北朝鮮国境にある長白山の天池。これらの場所はまたの機会に行くこととします。赴くのに覚悟を決める程の距離ではありませんし。

 

うとうとしたり、ハルビンの予習をしながら過ごして無事定刻にハルビン西駅に到着しました。

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2時間半北上しただけあり、少しだけ涼しく感じます。ホームに降りると男たちは次々と煙草に火を点けていきます。中国はまだまだ喫煙者に寛容な社会、というか喫煙率が高いのでしょう。

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向い側に停車している長距離列車に掲げられていた案内板。北京-満州里(マンチュリ)、北京ー海拉尔(ハイラル)と書いてありました。満州里、海拉尔どちらも内モンゴル自治区の街ですので、ここからゴビ砂漠の中を駆け抜けていくのだと思われます。とてもロマンを感じます。近いうちに中国の長距離列車に乗ろうと心に誓いました。

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ハルビン西駅は、新しい駅でした。高速列車用だからなのか、郊外に立地しており街の中心部までは路線バスで移動しました。どこで降りればいいか分からず、とりあえずハルビン駅付近で下車してみました。

 

だいぶ空腹になってきたので、腹ごしらえをすることにしてみました。現地の人たちの普段の味が知りたくて、近くの大衆食堂に入ってみます。

 

仕事の休憩中といったようなガタイの良い若者たちが、ご飯の上におかずがこんもり載っている丼ものを食しています。メニューをみると蓋飯と書いてあるものがあったので、漢字の字面的にこれだろうと思い注文してみたら的中しました。

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私は、肉味噌炒めの蓋飯です。ビジュアルに関して言えば褒める言葉が見当たらないのですが、美味しいのはともかく元気が出る感じがして私は結構好きでした。ただ、ご飯の量が恐らく3合近くあったのと、茄子が油を随分と吸っていて、食べ切るのにはだいぶ時間を要しました。街行く人たちのメタボ率が日本よりかなり高いなと思っていたのですが、これだけのカロリーを日頃から摂取しているのならと合点しました。

店員さんに中国語で話しかけられて、中国語があまり分からないことを伝えたのに、相変わらずどこから来たか中国語で聞かれ、それに日本からと答えました。その会話を聞いていた隣の席の青年が興味を持ったらしく、初めての日本人の友達になってくれと持ち掛けられました。彼の名は張君。張君は色々な翻訳アプリなどを駆使して私との会話を試みます。話が通じるたびにニコニコ笑ってとても嬉しそうなので、こちらもなんだか楽しくなってきました。中国版LINEともいわれるWechatのアカウントを教えてほしいと言われるも、Wifiがないとスマホが使えない状況。そのことを張君に伝えていたら、店員さんが配電盤を開けて、その扉の裏に書いてあるパスワードを指さしました。これを入力しなさいと。何か面白い運命に巻き込まれ始めた気がします。その後、まずWechatをダウンロードし、四苦八苦しながらアカウントを開設して張君とIDを交換しました。

張君に、ホテルはどこか聞かれたので、教えたところ、タクシーを呼んでそこまで案内するよと言ってくれました。すぐさま、アプリでタクシーを呼び、ホテルまで連れて行ってくれ、フロントでも話をつけてくれすんなりチェックイン。部屋で色々な話をアプリを使ってしてみました。彼は大学生で、お父さんは河北省で中国のお酒である白酒の酒蔵を経営してるのだそう。その仕事についてきてハルビンに来たとのことでした。

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張君と共に街に出てみます。ハルビンは、ロシア帝国による東清鉄道敷設により栄えた街。そのため、ヨーロッパのような街並みが広がっています。ホテルからほど近い、洋風建築が残っている中央大街という通りを歩きます。ヨーロッパのような街並みに漢字の看板が立ち並んでいる景色は新鮮です。

 

街並みを何枚か撮っていると、記念撮影をしたいところがあればいつでも伝えてくれと言ってくれます。景色を取ろうとするとここがいいの?と何度も聞いてくれて嬉しい反面なかなか街並みを写すことができませんでした。そのため、この次の記事に翌日の朝に撮ったハルビンの街並みを載せるので雰囲気はそちらでも感じてみてください。

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張君、顔出しOKとのことでしたので、彼の写真を。

 

ハルビンのシンボル、聖ソフィア大聖堂の近くに来てみました。

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美しいロシア正教の教会です。玉ねぎのような形をした屋根が特徴的です。生憎、改修工事中により柵で囲われていたのと、内部を見学できなかったことが残念でしたが、間近で見ると建物と装飾の美しさに酔いしれました。

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歩道橋から、大きな幹線道路沿いの風景はこんな感じでした。カラっとした心地よい風を体いっぱいに浴びます。

 

張君曰く、父親と三人で夕飯を食べにいこう、父も君に会いたがっていると。こんな機会はなかなかないので、一人でゆっくり散策したい気持ちもありましたが、話に乗ってみることにしました。

 

ホテルの真向かいに、東北料理のレストランがあったので、そこに3人で入ることに。旅先で出会った現地の人と仲良くなって食事にいくなんて初めての経験です。自分では見つけきれない美味しいものにありつけそうです。

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それでは乾杯。張君親子。お父さんはとっつきづらいひとだったらどうしようと心配してましたが、物腰が柔らかいとても素敵な人でした。お父さんが手にしているのが、ご自身が作っているお酒だそうです。最初は青島ビールで乾杯しました。ここで驚いたのですが、中国で乾杯(中国語表記は干杯・発音はガンベイ)というと、グラスをこつんと皆でぶつけてそれを直ちに飲み干すのですね…しかも"干杯"は一度ではありません、何度も何度も訪れます。そのタイミングがみんなが最高…と思ったときみたいな感じで、その間合いの取り方が面白かったです。基本はアプリを使いながら話をしていたのですが、お父さんが私の話を聞いて嬉しそうに干杯…と杯を持ち上げた時は、何かじんと来るものがありました。

 

それでは、お父さんが作ったお酒もいただいてみます。

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白酒は度数が40度くらいの蒸留酒です。張君親子はストレートでぐいぐい飲み干していきます。度数は高いのですが、甘みが強く、芳香な香りがします。意外と飲みやすいのが恐ろしいです。とても美味しいことを伝えると、嬉しそうに干杯をしてくれました。自分のペースで飲んでねと、気遣ってもらえたので何とかなりましたが、彼らのペースで飲んでいたら間違いなくつぶれていました。中国人の肝臓は恐るべし、敵いません。

こんな感じで2日目は想定外の一日になりました。とても素晴らしい時間をありがとう。いつか、張君の住む街に旅行に行くと約束をして別れました。

3日目に続きます。

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