会社員の東海道53次旅行記・完全踏破⑬【御前崎・藤枝〜島田】

f:id:sampit77:20230104172519j:image13日目 御前崎の潮風・単調で平和な街道旅

2021年4月18日(日)、13回目の東海道歩き。相変わらず、休みを待ち侘びながら働き、週末になると東海道を歩き続けている。仕事は単調な激務のループだが、この休みのルーティンは日々前進していてとても達成感がある。f:id:sampit77:20230105000131j:image

前回も乗ったバスタ新宿7:15発、静岡駅10:28着のJRバスでまず静岡駅まで移動する。前回は静岡から藤枝まで歩いたのでその続き。

前回の記事はこちら→ 会社員の東海道53次旅行記・完全踏破⑫【府中(静岡)〜宇津ノ谷峠〜藤枝】 - 旅の記憶

歩く前まで、静岡県内の東海道はてっきり海沿いばかりだと思っていた。確かに海沿いもあることはあるが、意外と内陸を歩く。実際、薩埵峠以降、街道が海沿いの場所は一度もなかったはずだ。f:id:sampit77:20230105224251j:image(地図の赤矢印が東海道の大まかなルート)

春も中盤、暖かくなってきたからだろうか、地図を眺めていると無性に海を見たくなる。海に突き出した御前崎が無性に気になる。気になって色々と調べると静岡最南端とある。一層気になる。f:id:sampit77:20230105000136j:image急ぐ旅でもないのでこの日は御前崎に寄り道してから歩くことにした。静岡駅から特急のバスに乗り、相良という小さな町で路線バスに乗り換える。f:id:sampit77:20230105000140j:imageガラガラと大きな音を立てて、バスはゆっくりとのどかな景色を走る。海に少しずつ近づいてるのかな。f:id:sampit77:20230105000145j:imageうとうとしていると、バスはさっきより大きな音を立てて、坂道を上がっていた。海が見えそう。そんな気がして窓を眺めてみる。f:id:sampit77:20230105000152j:image小さな漁村の先の深い青の海。求めていた海の景色を遥かに凌駕する眺め、最高だ。f:id:sampit77:20230105000157j:image少し行くと今度は、窓越しにお茶畑が広がる。なんと静岡らしい景色だろうか。f:id:sampit77:20230105000201j:image約30分のバス旅、決して観光地ではないが、静岡らしい景色に出会えて嬉しい。御前崎海洋センターという終点のバス停から灯台まで歩く。
f:id:sampit77:20230105000205j:imagef:id:sampit77:20230105000209j:image一本道を歩くこと10分。最高の天気だが、まるで台風のような風が吹き荒れている。この風は『遠州のからっ風』というらしい。f:id:sampit77:20230105000214j:image御前崎灯台へ。相変わらずの強風だが、白亜の灯台の景色に見惚れ、しばし佇む。1874年に作られた灯台らしいので、約150年もの間、海を守ってきたことになる。f:id:sampit77:20230105000218j:imagef:id:sampit77:20230105000221j:image静岡最南端なので、遮るものは何もない。広大な海の景色。風の強さを白波が物語っている。綺麗だけど、目を開けているのもしんどい風で長居できない。f:id:sampit77:20230105000229j:image灯台から見えた海は、荒々しい印象だったが、砂浜(浜岡砂丘)もあるらしくウミガメの産卵場所でもあるようだ。f:id:sampit77:20230105000233j:image13時、再び路線バスに乗る。始発で出発を待っていると車内でカノンが流れていた。誰もいない車内は強風で揺れる。そして響き渡るカノン。なかなかシュールだ。f:id:sampit77:20230105000237j:image行きと同じ路線に乗るのはつまらないので、今度は御前崎から謎のバス停「ぷるる」を通過し、浜岡営業所というところまで行く。さらに乗り換えてJR菊川駅まで行くことにした。乗り換えたバスも古く、なかなか味がある。f:id:sampit77:20230105000245j:imagef:id:sampit77:20230106095949j:image菊川で東海道線に乗り換えて、この日のスタート地点藤枝へ。ちなみに菊川は藤枝より京都寄りの町だが、旧東海道のルートではなく静岡ルール(※)には反していない。

※静岡ルール: 今後行くルート上の町には先に訪れないように取り決めた個人的ルール。静岡まで歩く前日に、静岡市中心部に宿泊・観光をしたため、到達時に既視感が強く達成感が損なわれたため設定された。f:id:sampit77:20230106100006j:image藤枝宿から歩き始める。まずは商店街を進む。f:id:sampit77:20230106100013j:imageかつてお茶を輸出していた時の商館跡、とんがり屋根が目立っていた。この時は閉まっていたが最近調べると、今はカフェになっているとの情報があった。f:id:sampit77:20230106100022j:image大きな見所がある訳ではないが、静かな景色が心地よい。f:id:sampit77:20230106100029j:image大慶寺というお寺、目立つ立派な松は久遠の松というらしい。これは750年前に弘法大師が手植えをしたと伝わるそう。f:id:sampit77:20230106100036j:imageこの大慶寺、自らをDKGと称している。Dは誰でも、Kは気軽に、Gはご覧あれ。お言葉に甘えて境内で松を見上げさせてもらった。f:id:sampit77:20230106100043j:image小さな神社とお茶屋さんの景色。f:id:sampit77:20230106100049j:image問屋場跡のパーキング。歴史背景を感じさせる街並み。f:id:sampit77:20230106100101j:imagef:id:sampit77:20230106100109j:image宿場町を抜けて瀬戸川を渡る。f:id:sampit77:20230106100117j:image東海道を旅する方へと心温まる看板があった。地元の人が宿場町であった歴史を大切にされていることが伝わる。大井川まであと二里。f:id:sampit77:20230106100127j:image街道の名残、松並木の下を進む。次の宿場は大井川の手前、島田だ。f:id:sampit77:20230106100134j:image街道沿いのバス停の時刻表を見てみると完全予約制のバスだった。運転士の勤務形態はどうなってるんだろう。予約なかったらゆっくり出来るのだろうか。f:id:sampit77:20230106100142j:imageひたすら真っ直ぐ、真っ直ぐ進む。単調だけど、とても平和なひととき。f:id:sampit77:20230106100157j:imagef:id:sampit77:20230106100204j:image歩き続けること1時間半、ついに島田市へ。f:id:sampit77:20230106100222j:image18時前、夕暮れの大津谷川を渡る。夕方になりだいぶ寒くなってきた。まだまだ寒暖差が大きい季節。f:id:sampit77:20230106100230j:imagef:id:sampit77:20230106100241j:imageロッカーを工夫した野菜の販売、色々選べるようでわくわくする。f:id:sampit77:20230106100249j:imagef:id:sampit77:20230106100258j:imagef:id:sampit77:20230106100304j:image終盤は寒くて早歩きになってしまったが、なんとか暗くなる前に、23番目の宿場・島田に到着してこの日は終了。次回は大井川を越える。

つづく

会社員の東海道53次・完全踏破⑭【島田〜金谷〜日坂〜掛川】 - 旅の記憶